『遥か群衆を離れて』 1967年 イギリス・アメリカ映画
監督 : ジョン・シュレンジャー
出演 : ジュリー・クリスティ、テレンス・スタンプ、ピーター・フィンチ、アラン・ベイツ
映画を観始めて数分、この雰囲気、前にも味わったことがあるな~~と思ったら、原作は『テス』を書いたトマス・ハーディでした。
映画『テス』でも見られた、イギリスの少し寒々しい田舎の風景が広がります。
こんなにも女性主人公に共感できない映画も珍しいのではないかと思います(笑)
この映画には、バスシバという女性と、3人の男性が登場します。
3人の男性・・・
ひとりは、真面目で誠実で勇敢で行動力もあるガブリエル。農場の雇われ人です。
もう一人は、お金持ちで紳士で、でも少々内気で、好きな人には一途になるボールドウッド、地主さんです。
そしてもうひ一人は、女にだらしなくって、今でいうところの「ちゃらい」トロイ軍曹。
傍から見ていて、絶対この人は選ばないだろうと思えるのがトロイ軍曹なのですが、なぜかバスシバが結婚相手に選ぶのはトロイ軍曹なんですね。
え??なんで??そんな、恋人をあっさり捨てるような、賭け事のために奥さんにお金を無心するような、そんな男をなぜあなたは選ぶ??
絶対にガブリエルさんでしょ~~~~
ガブリエルさんは働き者だよ。みんながお酒を飲んで酔っ払ってる時でも、ひとり嵐の中干し草を守ってくれた人だよ。羊のこともよく知ってる頭のよい人だよ。
冒頭、ガブリエルがバスシバに求婚するシーンがあるのですが、
ガブリエルが、結婚したらこうしよう、ああしよう、と誠実な態度で言ってくれてるのに、
それに対しバスシバは、「あら~~~素敵!」なんて喜んでおきながら、
「でも、あなたとは結婚できないわ~~だって、あなたのこと愛してないもの~~」と笑顔で答えます。なんと罪作りな女。後にガブリエルの求婚を断った理由は「物足りないから」と言っています。
一番かわいそうなのはボールドウッドさん、バスシバがいたずら半分で送ったカードのせいで、すっかりバスシバのことを好きになってしまい、バスシバのせいで運命狂わされてしまいました。本当に罪作りな女だよ~~~
最後はガブリエルと結婚するバスシバですが、(最初からそうしておけばいいのに!!)果たしてこの二人、うまくいくのでしょうか・・・・
最後にスクリーンに映ったのは、トロイ軍曹が贈ったオルゴール。
なぜ、最後の締めがこのオルゴールなのか・・・不吉な予感がします。
ガブリエルを演じた、アラン・ベイツさん、素敵だったな~~~
The Roseにも出てたらしいが、記憶にありません💦
今調べてみたら、『遥か群衆を離れて』は、2015年にも再度映画化されているらしい・・・
う~~ん、ちょっと気になるかも・・・
過去に行って、失敗した事を修正すると言う設定は良くありますが
夫婦関係をネタにすると言うのは、イマドキな感じです。
人間関係って、どちらがイイ、悪いではなく、結局お互いの
行動に問題があるんでしょうね。そんな時は相手に問題解決を
求めるのではなく、自分の行動を見直す必要がありそうです。
ただ、その努力が実を結ぶかは未知数ですが(;^_^A