NHKで放送された『山本周五郎ドラマ さぶ』を見ました。
去年のちょうど今頃小説『さぶ』を読み、もしドラマ化されたら是非見たいと思っていました。
キャスティングを知り・・・杉野遥亮?? え? 栄二が杉野遥亮くん?
正直なところ、ピンと来ませんでした。
で、実際に見たところ・・・杉野遥亮くん、栄二を演じるには、ちょっと線が細すぎかも・・・
そして、顔が綺麗すぎ(笑)もうちょっと兄貴分としての貫禄が欲しかったかな・・・
ただ、小説『さぶ』の冒頭部分で、栄二のことをこう紹介しています。
痩せたすばしっこそうな軀つきで、おもながの顔の濃い眉と、小さなひき緊った唇が、いかにも賢そうな、そしてきかぬ気の強い性質をあらわしているようにみえた。
確かに、痩せてて、おもながの顔に濃い眉とひきしまった唇、賢そう、これはイメージぴったりかもしれませんね。ただ、きかぬ気の強い性質、これは今ひとつだったような・・・・
小説が映像化されると、だいたい物足りなさを感じる場合が多いのですが、いいこともあります。
山本周五郎の小説では、江戸時代の服装の説明がかなり具体的です。
たとえば、、双子縞の着物に、小倉の細い角帯、色の褪せた黒の前掛け、とか・・
これが実際にどういうものなのかを映像で観ることができます。
また、栄二とさぶは表具師として働いているのですが、それがどういう仕事なのかも目で見て理解できます。さぶが得意だったのりの仕込みはこういうふうにやるんだなあとか・・
あの小説が伝えたかったことを2時間のドラマで表現するのはなかなか難しいですよね。
最後、おすえの告白を聞き、栄二は「いいんだよ」とあっさり許してしまうわけですが、
それは、あの体験があったからこそ俺はこうやって変われたんだ、という思いがあるからです。
実際のセリフでもそのようなことを言ってましたが、なぜ栄二は自分を陥れた女性を(確かにおすえは栄二が惚れていた女性ですが)あんなにあっさりと許せてしまえたのか、その理由を見ている人たちが深く納得できるような、そういう演出が欲しかったかな~~とも思います。
ドラマの最後のシーンですが、背景が、江戸時代の街並みから現在の東京の近代的な街に変わり、(どこかの橋の上でしたが)栄二とさぶが仕事に出かけるシーンで終わります。栄二とさぶの話は、江戸時代だけのお話ではない、今現在にも通じるお話ですよ、っていうことですよね。この演出はよかったですね^^
私がもし栄二をキャスティングするなら(杉野遥亮くんには申し訳ないが)・・・
桐谷健太がいいかな~~~
兄貴分、って感じがするし、きかぬ気の強い性質も十分表現できそう!
杉野遥亮くん、『ミストレス』の貴志さん役、よかったです~~~
あと、洗剤のCMの、杉野のお姉ちゃん役も大好きです~~~
過去に行って、失敗した事を修正すると言う設定は良くありますが
夫婦関係をネタにすると言うのは、イマドキな感じです。
人間関係って、どちらがイイ、悪いではなく、結局お互いの
行動に問題があるんでしょうね。そんな時は相手に問題解決を
求めるのではなく、自分の行動を見直す必要がありそうです。
ただ、その努力が実を結ぶかは未知数ですが(;^_^A