緑の光線

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2021-02-13 (Sat)

『新解さんの謎』赤瀬川原平

『新解さんの謎』赤瀬川原平

あるラジオ番組でリスナーさんがお薦めしていた本です。辞書の本と聞き、興味が湧き借りてみました。普段図書館で本を借りた後、そのままバスに乗って家に帰るわけですが、借りてきたばかりの本を「どんな内容だろう、どんな出だしだろう」とわくわくしながら、座席に座るなりページをめくるときのわくわく感、たまりませんね^^この本も、図書館で借りた後、早速バスの座席に座りすぐにページをめくり読み始めました。いや~~~~...

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あるラジオ番組でリスナーさんがお薦めしていた本です。辞書の本と聞き、興味が湧き借りてみました。

普段図書館で本を借りた後、そのままバスに乗って家に帰るわけですが、借りてきたばかりの本を「どんな内容だろう、どんな出だしだろう」とわくわくしながら、座席に座るなりページをめくるときのわくわく感、たまりませんね^^
この本も、図書館で借りた後、早速バスの座席に座りすぐにページをめくり読み始めました。
いや~~~~マスクをしていてよかった!!
最初っからおもしろすぎて笑いをこらえられませんでした!!
(マスクをしていなかったら、本を読みながら吹き出しそうになっていのがバレバレです)

新明解国語辞典という三省堂が発行している辞書のお話です。
私はこの辞書を持っておらず、実際に引いたこともありません。
ただ、「おもしろい辞書だ」というのをどこかで何となく耳にしたようなことがあるくらい。
ですが、こんな辞書だとは知りませんでした!!
P2130021.jpg
新明解国語辞典(通称「新解さん」というらしい」の言葉の説明は、かなり具体的で、私からすると、それは客観性に欠けるのでは?作者の主観が入っているのでは??と思わされるものもあります。
また、用例もかなり独特です。辞書では、言葉の説明の後に、用例が記載される場合があります。実際にどういうふうに使うかの例文ですね。私の手持ちの辞書だと、用例の大半は文献からの引用で、必要に応じて作例が記されています。いずれにしろ、例文はごく簡潔で短い文です。
ところが、新解さんでは、この例文がかなり具体的で長いのです。そこまで書いていいのか!と突っ込みたくなるほどです。

最初に紹介されているのが、「恋愛」です。
「恋愛」とは何ぞや?新解さんはこう説明しています。

れんあい【恋愛】特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる・(まれにかなえられて歓喜する)状態。

いやいやいや、これはかなり限定的すぎじゃありませんか??
恋愛している人の中には、新解さんが説明している状態ではない人もいるのでは??

中には、今のご時世、批判、お叱りを受けるのでは??という説明も・・・
おんな【女】㊀人間のうち、雌としての性器官・性機能を持つ方。㊁一人前に成熟した女性。〔やさしい心根や優柔不断や決断力の乏しさがからまり存する一方で強い粘りと包容力を持つ〕

え~~~~!!こんなに限定していいのでしょうか??優柔不断って決めちゃっていいの??
(女性の怒る姿が目に浮かぶようです)
女性のお怒りを買うような用例として、こんなものも・・・
なまじ(副)㊀十分な成果が期待できないのに、何かをあえてすることを表す。「-〔=つい〕口を出したのが悪かった・-〔=無理に〕女の子が柔道など習ってもしようがない」

女性柔道家に背負い投げされそうです!

中には、う~~~~んと深く考えさせられるような説明も・・・
よのなか【世の中】㊀同時代に属する広域を、複雑な人間模様が織り成すものととらえた語。愛し合う人と憎しみ合う人、成功者と失意・不遇の人とが構造上同居し常に矛盾に満ちながら、一方には持ちつ持たれつの関係にある世間。
じっしゃかい【実社会】実際の社会。〔美化・様式化されたものとは違って複雑で、虚偽と欺瞞とが充満し、毎日が試練の連続であると言える、きびしい社会を指す。〕

世の中、実社会の中で生きて行くのは、大変だな~~~

用例の中には、小説の中の一節を抜き出したようなものも・・・
ぼさっと(副)しなければならない事を忘れていたり仲間からひとり取り残されたりして、しまらないことを表す。「駅から花屋に出る四つ角には交番があるのだが、管内の出来事には鈍感な警官がー立っているだけであった」

この警察官の日常や人柄をあれこれ想像してしまいます・・・

というわけで、新解さんの説明、解釈は、本当に独特で、これを辞書と言っていいのだろうかと疑問視したくなるほど。ていうか、主観、入りすぎてませんか??
ま、読んでて面白かったですけどね^^

この『新解さんの謎』が書かれたのは、1999年、新明解国語辞典の第四版までが発行されている時期です。
調べてみると、2020年の11月に新明解国語辞典の第八版が発売となっているようです。
第四版までの傾向とは変わりないのでしょうか?

この辞書、買ってみたいような、使ってみたいような、そんな気もしますが、何かの言葉を調べようとしてページをみくったら、辞書を引くというよりは、辞書を読むことにどっぷりはまってしまい、他の作業がはかどらなくなりそうです。

ちなみに、この本の後半には、「紙々の消息」という、紙にまつわる筆者の考察分が収められています。これは、いま一つだったかな・・・
紙にまつわるあれやこれやですが、これが書かれた時と、今とでは紙事情がかなり違いますからね。
今の若者がこれを読んでもあまりピンと来ないかもしれません。




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No Subject * by おんだなみ
赤瀬川原平さんは大好きなんですが、あくまでライトなファンなので、
この本は知りませんでした。
確かに、この解説は今だったらもろ攻撃の的に成りそうです。
ま~辞典と言うより、その体を成した読み物と言う感じなんでしょうね。
地元にもあったので、機会があれば借りて見たいと思います。

Re: No Subject * by green
おんだなみさん、私はこの本で赤瀬川原平さんを初めて知りました。
著作数も多いみたいですね。
新解さんは「読んで面白い辞書」と評価されているみたいです。
こんなユニークな辞書があるのかと、私はかなり驚きでした。

2021-01-19 (Tue)

『おさん』 山本周五郎

『おさん』 山本周五郎

『おさん』 山本周五郎 著久しぶりに山本周五郎作品を読みました。表題『おさん』ですが、『おさん』を含む短編10編が収められています。どの作品も、ほろりとさせられたり、じいんとさせられたり、ついつい夢中になって読んでしまいました。特に好きだったのが、『みずぐるま』現代にも置き換えられるような胸キュンラブストーリーです。時代は江戸時代ですが、私の頭の中では現代の男女の姿が頭に浮かんでいました。そして他...

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『おさん』 山本周五郎 著

久しぶりに山本周五郎作品を読みました。
表題『おさん』ですが、『おさん』を含む短編10編が収められています。
P1180021.jpg
どの作品も、ほろりとさせられたり、じいんとさせられたり、ついつい夢中になって読んでしまいました。

特に好きだったのが、『みずぐるま』
現代にも置き換えられるような胸キュンラブストーリーです。
時代は江戸時代ですが、私の頭の中では現代の男女の姿が頭に浮かんでいました。

そして他の作品に比べて異色だったのが『偸盗』
コミカルでありつつ、かなりシニカルです。
これもまた、現代の格差社会を皮肉っているように思えました。
下にいるものがどんなに抗っても元の木阿弥、上にいるものは安泰のまま、そんな状況が描かれているような気がしました。
ま、いろいろな見方ができると思いますが・・・

山本周五郎はやっぱりいい。
心がほっこりします。
折をみてまた読み返したいと思える短編集でした。


No Subject * by おんだなみ
お、久しぶりの山本周五郎ですね、
以前、『柳橋物語・むかしも今も』を紹介されていて
映画では見ていたけど、小説は読んだ事がなかったので、
時代小説は新鮮でした。
恋愛模様、社会格差・・・人の生活って、変わらない部分が
多いんですね。
10編と言う事は、短編なんですよね、気を負わずに読めそうです。


Re: No Subject * by green
おんだなみさん、山本周五郎さんの小説は普通の人々の心に寄り添ってくれます。
だから心に沁みるのだと思います。
短編ですが、どれも濃い作品ですよ~~

2020-10-30 (Fri)

『女の一生』 山本有三

『女の一生』 山本有三

最近更新が滞りがちです💦特に理由はないのですが、あれこれ悩むことがあり、頭の中がごちゃごちゃしている状態です。そうこうしているうちに、一週、一週があっという間に終わり、気が付けばもう10月の終わりだなんて!!ついこの間まで猛暑だの酷暑だのいってたのに、あっという間に冬が目の前までやってきて、家の中の一番日当たりのいい場所にぼーっとしているのが、なんと心地いいことか。。年々秋が短くなっていくようです。...

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最近更新が滞りがちです💦
特に理由はないのですが、あれこれ悩むことがあり、頭の中がごちゃごちゃしている状態です。
そうこうしているうちに、一週、一週があっという間に終わり、気が付けばもう10月の終わりだなんて!!
ついこの間まで猛暑だの酷暑だのいってたのに、あっという間に冬が目の前までやってきて、家の中の一番日当たりのいい場所にぼーっとしているのが、なんと心地いいことか。。
年々秋が短くなっていくようです。

山本有三の『女の一生』です。
女の一生、ってかなり強烈なタイトルですよね・・・・
PA300021.jpg
タイトル通り、ある女性の一生が描かれています。それもかなり波乱万丈です。
初恋の男性を友達に奪われるわ、妻のある人のこどもを身ごもってしまうわ、最愛の息子は家出してしまうわ・・です。
途中、以前『波』という小説で紹介した、「メディシンボール」のエピソードが出てきます。
「子どもはボールのようなもので、俺のボールだの他人のボールだの言ってはいけない、自分のところにまわってきたら、大事に受け取って次の人に渡してやる、子どもは個人的なものではなく、広く社会のものなのだ」というものです。
主人公の女性は、この話を他人から聞かされるのですが、そのときはどうもぴんと来ません。
ですが、息子が大きくなって、自分の手元から離れて行ったとき、この「メディシンボール」の話を思い出して、納得がいくのです。

大事に大事に育ててきた息子が、左傾化してしまい、家出をし、行方不明になってしまうのです。
女性はなかなか立ち直れないでいるのですが、「息子の母」でいることから卒業しなくてはいけない、自分自身の人生を歩かなければならない、と、前を向くようになるんです。

最近私もよく考えるんです。
上の息子は成人して家を出てしまいました。下の息子は今高校3年生で、春には大学生になる予定です。ふたりとも、大きく道を外れることなく、いい子に育ってくれたと感謝しています。まだまだ心配ごとは尽きませんが、私の母親としての務めもそろそろ終わりに近づいているな・・と少し安心すると同時に、なんだか気が抜けるというか、虚しさみたいなものを感じてしまいます。

いかん、いかん、もっと前向きに考えなくては!!
最近、年齢的なこともあるのか、わけもなく憂鬱になることがあります・・・
気持ちが上向きになるゴキゲンなROCKでも聴こうっと♪
No Subject * by おんだなみ
いや~、ホント、暑い暑いと言ってたのに、いつの間にか
秋が来て、冬への備え?と言う気候になりました。
母親としての役割を終える一抹の寂しさは有るのでしょうね、
子育てと言う暑い(熱い)季節から、秋や冬の落ち着いた季節に
なったと考えれば、別な楽しみ方も出来そうです。



Re: No Subject * by green
おんだなみさん、詩人ですね!
そうですね、これからは自分を楽しむ落ち着いた季節になるわけですね。
しみじみします・・・

2020-09-30 (Wed)

『生きとし生きるもの』 山本有三

『生きとし生きるもの』 山本有三

『生きとし生けるもの』大正15年に新聞に連載された小説ですが未完で終わっています。山本有三が風邪をこじらせてしまったのが原因だとか。未完であるため、登場人物のその後の人生がとても気になります。山本有三の小説を読んでいると、テレビドラマを見ているような気分になります。登場人物の個性、登場人物が置かれている状況、あらがうことのできない現実、いろいろな要素が読者を小説の世界へと引っ張り込み、その展開にド...

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『生きとし生けるもの』大正15年に新聞に連載された小説ですが未完で終わっています。山本有三が風邪をこじらせてしまったのが原因だとか。未完であるため、登場人物のその後の人生がとても気になります。
P9300024.jpg
山本有三の小説を読んでいると、テレビドラマを見ているような気分になります。登場人物の個性、登場人物が置かれている状況、あらがうことのできない現実、いろいろな要素が読者を小説の世界へと引っ張り込み、その展開にドキドキハラハラさせられます。

この小説には、対照的なふたりの男性が登場します。
ひとりは実業家の父を持ち、その父から、「このお金で好きなことをやってごらん」と独立資金を与えられます。
一方の男性は、弟の学費を工面しながら、日々の生活を送るのがやっとの毎日を送っています。

ちょっとネタバレになるのですが・・・
後者の男性、少ない月給をやりくりしながら、かつかつの生活をしています。
やっと賞与をもらえることとなりました。そんなにたくさんもらえるとは期待していませんでしたが、賞与をもらったら、滞納している家賃を払って、靴下やシャツを買って、弟の学費を払って・・と賞与の使い道をあれこれ考えていました。そして、いざ賞与をもらい、その封筒の中身を確かめてみると、予想していた額よりもはるかに大金が入っているのです。大きなお札が一枚余計に入っていたのです。彼は、「きっと経理部の手違いだ、すぐに返さなければ」と思い、返しに行くのですが、経理部にはもう誰もいません。「明日返すことにしよう」と思い、その封筒を胸ポケットにしまいます。その帰り道、「賞与をもらったんだからたまには外で食べて帰ろう」と食堂に入るのですが、ま、いろいろあって、その大きなお金を崩さなくてはならなくなったんですね。一度崩してしまうと「タガが外れる」と言うんでしょうか・・ついつい使ってしまうんです。今までいろんなことを我慢してきたわけですから。そして経理部は気が付いてないみたいだ、このまま黙っていれば気づかれないかもしれない、と考えるようになるんです。(天使と悪魔が闘います)
結局経理部に返せないほど使ってしまい、もう後には引けなくなってしまいました。
さて会社に行ってみると、経理部のひとりの女子社員が上司に叱られています。賞与を封筒に入れるときに間違ったのではないかと責められているのです。可哀想にその女子社員は自分の過ちでもないのに、自分の給料から毎月少しずつ、その合わなかった賞与の額を引かれることになってしまいました。彼はどうすることもできません。「実は私が・・」と正直に言いたいところですが、実際返せるお金はありません。黙っているより他にはないのです。
ところが、この二人の距離が近づいていくんですね。彼は彼女への罪悪感もあって彼女と結婚しようとするのです。
そんな中、なんと弟が退学処分となってしまうんです。「もう学校には行かない」と言い出す弟・・
弟を学校に行かせるためにあくせくしてきたというのに!

と、ここで小説はおしまいになります。(ちょっとどころかかなりのネタバレですみません💦)
彼と経理部の女子社員のふたりは、これからどうなるんでしょう。結婚した後も彼は自分の罪を打ち明けないままにするのでしょうか?そんな大きな秘密を抱えたまま幸せになれるのでしょうか。
弟の将来も心配、そして彼と弟との関係もどうなるか心配、兄弟ふたりだけの家族なのに・・・

未完であるがゆえに、読者にいろいろなことを考えさせます。

適度にガス抜き * by おんだなみ
真面目すぎたりすると「タガが外れる」ってあるんでしょうか、
返すに返せない位使ってしまうって、ガマンし過ぎも
良くないのかも、と思ってしまいます。
未完だからこそ、その後を想像させてくれますね。

続きが気になる * by はなまめ
確かに”その後”がすっごく気になる展開ですね。
う~ん、結局は嘘はつき続けられない(バレる)気がしますが、その時登場人物たちはどうするのか・・・。
色々な人が続きを書いて、マルチエンディングにしたら面白いかも。

Re: 適度にガス抜き * by green
おんだなみさん、彼は我慢しすぎたというよりも、我慢せざるを得ない生活状況に置かれていたんですよね。
経理部に返しに行ったときに、もし経理部にまだ人が残っていれば・・・彼の人生は変わっていたかもしれません。
人生はままならないな~~と思います。

Re: 続きが気になる * by green
はなまめさん、気になりますよね・・
もし何らかの形でばれてしまったら、彼女はどうするんでしょうか。
許すにしても許さないにしても、関係は変わってしまいますよね。
確かに、いろいろな人が書いた続き、読んで比べてみたいですね。

No Subject * by いとこいさん
なかなか思うようにいかないのが人生
自分一人のことではありませんから
人もそれぞれ 周りの取り巻く環境によって意思、考え方も変わるのが当たり前ですもんね・・
人生そのものですね

ゴンへのおやさしいおことば お悔やみのお言葉ありがとうございました。
うれしかったです。

Re: No Subject * by green
いとこいさん、本当に人生はままならないですね。
最近それをよく感じます。
状況に流されず自分自身を保つことはなかなか難しいです・・・

2020-07-28 (Tue)

『錦繡』 宮本輝

『錦繡』 宮本輝

前回、石田ゆり子さんのエッセイ本を紹介しましたが、そこで石田ゆり子さんが好きな本として挙げていたのが、宮本輝の『錦繡』です。「主人公を演じてみたかった」と書いていました。そういえば、以前宮本輝の小説を何冊か読んだことがあったことを思い出し、本棚を探すと、ありました。というわけで、石田ゆり子さんのエッセイ本からの→私の本棚再読シリーズです。この小説は男女(別れた元夫婦)の往復書簡で構成されています。...

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前回、石田ゆり子さんのエッセイ本を紹介しましたが、そこで石田ゆり子さんが好きな本として挙げていたのが、宮本輝の『錦繡』です。「主人公を演じてみたかった」と書いていました。
そういえば、以前宮本輝の小説を何冊か読んだことがあったことを思い出し、本棚を探すと、ありました。
P7280021.jpg
というわけで、石田ゆり子さんのエッセイ本からの→私の本棚再読シリーズです。

この小説は男女(別れた元夫婦)の往復書簡で構成されています。
手紙を通じて、お互いの過去を言葉で事細かに緻密に明らかにしていきます。

知らなくてもよかったような出来事、不幸な出来事でも、言葉にしてそれを明らかにしていくことで、それが前を向いて生きて行く力になるのではないか、と思いました。
過去を見つめなおすことで、未来を生きて行く力に変える、そんな感じかな・・・

石田ゆり子さんは主人公を演じたかったと書いていましたが、確かに、主人公の芯の強さと石田ゆり子さんの凛とした佇まいはどこか通じるものがあるような気がします。でも、私個人的には、主人公亜紀よりも、令子の方が石田ゆり子さんにより近い気がしました。令子も強い女性です。でも、強いなかに何とも言えない可愛さがあります。私は令子と靖明のやりとりを読みながら、化粧っけはないんだけど、大きな瞳がくるくる動くような素朴で純粋な女性をイメージし、石田ゆり子さんと重ねながら読んでいました。令子の強さと明るさがあったから靖明は死に向かうことなく前を向けるようになったのではないかと思います。

靖明の手紙の中に、男の浮気について語る部分があります。
男の浮気というやつは、もう、しようのない本能のようなものです。男はそういうふうに出来ているのです。・・・愛する美しい妻があっても、男は機会に恵まれたら、あるいはそのときの成り行きによっても他の女と寝ることが出来るでしょう・・
この部分は、今のご時世、女性たちから強烈なバッシングを受けそうな気がします(笑)
ま、この小説では、靖明はこの浮気によって大きな代償を負うことになるのですが・・・
ちなみに、この小説のテーマは決して浮気ではありませんので^^;



往復書簡って * by おんだなみ
この本、石田ゆり子さんも好きなんですね、
全くスルーしてました(;^_^A
宮本輝ってネスカフェのCMで知っていましたが、読んだ事が無いです。
往復書簡の構成と言うのが、面白そうですね。
読んでる時に、人物の一人と石田ゆり子さんを重ねて読む事で
想像も広がったのでは?
男の浮気、生物学的に組み込まれていると言う説もあった様なぁ~・・

Re: 往復書簡って * by green
おんだなみさん、小説が手紙のやりとりだけで構成されています。
ただ、手紙にしては内容が濃くて、やたら長くて、これを便箋に書いたら
一体何枚になるんだろう。。封筒はかなり分厚くなるのでは。。なんて
余計なことを考えてしまいました。
宮本輝さん、ネスカフェのCMに出てたんですか?初耳です~~