『甘い生活』 La Dolce Vita 1960年 イタリア・フランス合作
監督 : フェデリコ・フェリーニ
出演 : マルチェロ・マストロヤンニ、アニタ・エクバーグ、アヌーク・エーメ・・・
この映画、私が東京に出てきて、初めて映画館で観た映画です(およそ27年前の話・・)。
東京に出てきて、映画を観ようと思ったら、映画館の入り口に長蛇の列ができてて、
「東京では、映画を見るのにも並ぶんだ」と驚いたことを覚えています。
確か、有楽町のマリオンだったかな・・・(でも今はもうないんだよね)
並んで映画を観る、ということに慣れていない私は、銀座マリオンを諦め、
銀座の街をふらふらしていて、小さな映画館を見つけました。
それが、「銀座文化劇場」で、そこで、この『甘い生活』を見たのでした。
(並ばずにすぐ見れたので・・)
「銀座文化劇場」は、1と2の二つの映画館から成っていて、
ひとつは、古いハリウッド映画や、古いヨーロッパ映画を上映してて、
もうひとつは、大衆向けではないけれども良質の映画(私的には)を上映してたように思います。
毎週金曜日がレディースで―だったので、週末、仕事が終わると、
ここで古い映画を観るのがとても楽しみでした。
今は、シネスイッチ銀座と、名前を変えているようです。
これは、そのとき買ったパンフレット、そして映画のチケット・・・
働いている頃、週末に映画を観るのが何よりの楽しみで、
こうやって前売りを買っては、映画を観てました。
その時の映画のチラシや、映画のチケットは、どうしても捨てられず、大事にとっています。
本題に入ります(笑)
『甘い生活』・・・まあ、一言で言って、「ようわからん」映画です(しかも長い!約3時間)。
このパンフレットの、解説の一行目には、こう書いてあります。
フェリーニの最高傑作であるばかりか制作当時、社会的事件ともなった画期的大作「甘い生活」・・・
キリスト像がロープに吊られて、空を飛んでいるシーンから始まります。
それを人々が見上げて、「ねえ、キリスト像よ!」なんていってきゃーきゃー騒いでいる・・・
主人公のマルチェロは、ジャーナリストなんだけど、ゴシップネタばかりを追っている・・・
同棲している彼女がいるにもかかわらず、他の女と関係も持つ・・・
パーティで乱痴気騒ぎをしたり、同棲中の彼女と口げんかしたり・・・
ラストは、海岸に怪魚が打ち上げられていて、なんともいえない虚無感が漂う・・・
とにかく、ちゃんとしたストーリーというものがなくて、いろんなエピソードの連続。
ただ、見ていると、「不毛」「退廃」といった言葉が頭に浮かんできます。
なんともやりきれない気持ちになります。
おそらく1960年当時のローマ社会が背景にあるんでしょうけど・・・・
この作品の中に、マルチェロとともに、ゴシップネタを追うカメラマン、パパラッツォという男が出てきます。
もしかして、現在使われている「パパラッチ」は、この「パパラッツォ」から来ているんじゃないかと思ったら、
やっぱりそうみたいです。
よくわからん!けど、なぜか惹かれてしまう、そんな映画です。
音楽も好かったです。
TBさせてください。