「野いちご」 SMULTRONSTALLET 1957年 スウェーデン
監督: イングマール・ベルイマン
出演: ヴィクトル・シェーストレム、ビビ・アンデショーン
イングマール・ベルイマン監督の作品です。
ずいぶん前に、「叫びとささやき」「秋のソナタ」を見た記憶がありますが、
「暗い」「寒々しい」という印象しか残っていず、どんなストーリーだったか、ほぼ忘れています。
「処女の泉」も見たことがありますが、これはなんとなく覚えてるかな~~
とにかく、この監督の映画は、「暗い」「寒々しい」という印象しかなかったのです^^;
この作品は、ある一人の老医師のお話。
いわゆる、頑固者。他人と関係を持つことを嫌がり、孤独に生きてきた人。
そして、それを自分でも認めている人。
とにかく、今まで合理的に生きてきた、そういう人。
そんな彼が名誉博士号を授与することになるんだけど、授与式に向かうまでの間、
自分の人生を振り返る、そういうお話。
自分の人生はこれでいいのだ、自分の思い通りに生きてきた、と思ってはいても、
やはりどこかに後悔はあるもの。
そして、それは胸の奥深くにしまっておいても、あるふとした瞬間に、重いおもしのように
心を沈ませてしまうことがある・・・・
この映画は「夢」がひとつのテーマになってると思います。
教授は授与式の前の日、そして、授与式に向かう車の中で、幾度となく夢を見ます。
夢の中で自分の人生を振り返るのです。
その中で、医師のための試験を受けるんだけど、答えがわからずに、落第してしまう・・・という夢を見るのです。
自分は、有能な医者だという自負を持って生きてきたであろうに、やはりどこかで、
「これでよかったんだろうか」「私は医者として正しい道を歩いてきたんだろうか」という
後悔の念を心に秘めていたのかもしれません。
「夢」って、その人の潜在意識を表すって言いますよね。
そういう意味でも、この映画は興味を持って見ることができました。
ちなみに・・・この作品の原題、SMULTRONSTALLETって、どういう意味なんでしょう??
実は、この作品を見る前に、「夏の夜は三度微笑む」という作品を見ました。
これは、喜劇なんだけど、おもしろおかしくて、そしてシニカル、
「男と女ってのは、もう~~~~~」と、ため息まじりに、ふっと笑いがこぼれてしまいそうな、
そんな映画でした。
ウッディ・アレンは、この作品にかなり影響を受けてるとか・・・
なんとなくわかるような気がします^^
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最終更新日 : 2019-06-08
No title * by green
Mさんでも、まだ見ていない監督作品があるのですね^^
「わかりづらい」という印象が強く残っていましたが、この「野いちご」はわかりやすくて、見やすい作品でした。
「とっておきの秘密の場所」ですか・・・なるほど~~~
なんとなく映画の内容と結びつくような気がします。
「わかりづらい」という印象が強く残っていましたが、この「野いちご」はわかりやすくて、見やすい作品でした。
「とっておきの秘密の場所」ですか・・・なるほど~~~
なんとなく映画の内容と結びつくような気がします。
No title * by 瀧野川日録
教授がみる「夢」はとってもシュールでしたね。葬式の馬車が揺れて傾いで、お棺が飛び出るシーン、振り向いた男に顔がないシーン、震えました。
No title * by green
トリックスターさん、最初の夢は、背中がぞくぞくっとする感じでした。白黒なだけに余計にシュール感が出てましたね・・・
No title * by あきりん
この映画全体を被っている夢うつつな感じが好きでした。実際の夢の場面も幻想的でした。
TBさせて下さい。
TBさせて下さい。
No title * by green
あきりんさん、主人公の、どこか寂しげな表情が印象的でした。
自分の人生を振り返ったとき、後悔も含め、いろんなことを思い返したりするんでしょうね・・・
自分の人生を振り返ったとき、後悔も含め、いろんなことを思い返したりするんでしょうね・・・
TV欄で見つけて『秋のソナタ』と『処女の泉』は観ようかと思っていましたが・・・。
ノルウェー語は皆目分かりませんが、smultron=野苺、smultronstalletで「とっておきの(秘密の)場所」というような意味になるようです。