緑の光線

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2010-10-31 (Sun)  10:05

「ある結婚の風景」

「ある結婚の風景」 SCENAR UR ETT AKTENSKAP スウェーデン 1973年
 監督 : イングマール・ベルイマン
 出演 : リブ・ウルマン、 エルランド・ヨセフソン
 
映画のカテゴリーに入れましたが、これはテレビ用に制作された6話構成のドラマとなっています。
(のちに、このドラマは劇場用に編集され、映画版もあるそうです)
 
題名が示すとおり、ある一組の夫婦の心の移り変わりを
緻密に映像化した、そんな作品です。
最初、「う~~ん、ちょっと退屈かも・・・」
という気持ちで観始めていたのですが、、
これが観ているうちに、どんどん引き込まれてしまいまして、
結局、ふたりから目が離せなくなってしまいました。
(一話がおよそ50分、計約5時間、どっぷりとベルイマンワールド!!)
(もちろん、一度に見たのではなく、細切れですけどね)
 
 
 
ユーハンとマリアンヌ、ふたりはある雑誌社の取材を受け、理想の夫婦と称えられます。
だけどね・・・なぜか違和感を感じるんですよ。
ふたりがソファに並んで座って、お互い見つめあいながら、記者の質問に答えるんだけど、
「私たちって、とってもいい夫婦よね、ね、そうよね」って、無理に確かめ合ってる・・
そんな印象を受けました。
それから、個人的に、夫ユーハンに対するイメージは、「なんか胡散臭い」(笑)
直感的に「あ、この人好きになれない」って感じました。
 
実は思いがけずマリアンヌが妊娠してしまうんですね。
「産みたい」と打ち明けるマリアンヌに、「君の好きにしたらいい」と答えるユーハン。
この言葉、相手を思い遣ってるかのように聞こえますが、ふたりの問題を相手に妻側に
押し付けてますよね。私には無責任に聞こえる・・・結局中絶の選択をしてしまう二人。
(少しずつ、夫婦の間にすき間が・・・)

ある日、夫ユーハンが、突然家を出ると言い出します。ポーラという女性と浮気していたのです。
マリアンヌにとっては、晴天の霹靂。 
夫ユーハンは、今までの生活はうんざりだった・・・みたいなことを言うんです。
これまでずっと「良き夫」を演じていたのです。
「言ってくれればよかったのに!!」マリアンは言います。
(私も画面に向かって、『だったら、早く言えよ~~』って叫んでた)
落ち着いて対応しようと必死に耐える姿が痛々しい・・
かいがいしく、夫の荷造りを手伝ったりしている・・・、
だけど、マリアンヌは弱い。ひとりになるのが怖い。
最後は、泣いてすがる、「行かないで」と。
ユーハンは、そんなマリアンヌが煩わしくって仕方がない。
冷たく「離せ!!」と、すがるマリアンヌをふりほどいて、出て行くのです。
 
別居していた二人が、久しぶりに再会します。
その頃には、マリアンヌにも新しい彼氏ができているのですが、
どうも、ユーハンはマリアンヌの元に戻ってきたがってるようなそぶり・・・
ふたりの心は揺れ動きます。どっちつかずのふたり・・・
 
そして、時は流れ・・・
マリアンヌが離婚手続きの書類を持って、ユーハンの事務所にやってきます。
マリアンヌの顔は晴れ晴れとしている、ふっきれた感じ。
逆にユーハンがどうも落ち着かない・・この期に及んで離婚をためらってる!!
 
そして、ここからが、修羅場、 ふたりが本音をぶつけ合うのです。
「ほんとはあなたが憎かった、殴りたいほどだった」
「今までの私はほんとの私じゃなかった。演じてきた。」
とにかく、ふたりが自分をさらけ出してぶつかり合うのです。
ここまでしないとふたりの縁を断ち切ることはできないのか!!
全てを出し切った後、ふたりは離婚の書類にサインをします。
 
さらに月日が経ち、
二人とも、何かを悟り、何かを乗り越え、穏やかな気持ちで接している。
どことなく、夫婦以上の絆が生まれているような、そんな穏やかな雰囲気。
ふたりがやさしく抱き合っているところで、このドラマは終わります。
 
すみません、だらだらとあらすじを書いてしまいました。
これ、多分結婚する前にみていたら、「ふ~~~ん、夫婦ってそんなもんなんだ」と、
距離感を持って見れたと思います。
ですが、一応夫婦を10年以上やってきている身にとって、
このドラマは結構しんどいです(笑)
わかるんですよ。すっごく。
見せ付けられる感じ。
なんとなく言葉にはできないけど、心の奥深くでもやもやしているものを
まざまざと見せ付けられている感じがするんです。
(ウッディ・アレンの映画を見ているような感覚にもなった)
 
最終話でマリアンヌが言います。
「私は愛していなかった、そして愛されていなかった」と。
すると、ユーハンは、「いや、確かに愛し合っていた。ただ、そのやり方が間違っていただけ」と答えます。
 
結局愛は不確かなもの。 誰も「愛する」とは何かはわからない。
愛は憎しみの裏返しとも言うし・・・
だから、みんな手探り、だけど、その「手探り」は永遠に続けられるし、続けられなければならない、
そう思いました。
 

 
 
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最終更新日 : 2019-06-08

No title * by momo
おはようございます^^

何時も色んな映画を紹介していただいてありがとうございます♪

greenさん本当に「人知れずいい映画」知っていますよね^^
もちろん「全国ロードショー」的な映画も観ていらっしゃいますが、
この映画はどこでやっていたの?と思わずネットで探します。
前回紹介していただいた「冬の小鳥」もそうですが人の心に灯火が
付くような、感じがしました。

わたしの住む田舎のショッピングモールのシネマには、なかなかそういった映画は来てくれません。
DVDで探します^^

No title * by green
bukyoさん、おはようございます。
朝早くから、こんな長い記事を読んでいただき感謝です。
私の映画鑑賞は、ほとんどがNHKのBS放送録画です。
最近はレンタルショップにもほとんど行っていないんですよ~~

もちろん大きなシネコンでやっているような映画の中にもよい映画はたくさんありますが、ひっそりと単館でやっているような地味な作品の方がかえって好きだったりします^^
「冬の小鳥」もまさしくそんな作品ですね~~~
こういう映画はNHKで放送してくれそうな気がします!!

No title * by 龍香
「いってくれればよかったのに!」って。。。

そういうこと全部ぶつけ合ったらなりたたない夫婦がほとんどじゃないのかなぁ、なんて思ったりします。自分から離れていくのが怖くていえなかったり、相手が傷つくんじゃないかと思っていえなかったり、言い方悪いけどいろいろ愛情はあっても計算しながら生活していくものじゃないかなぁ、夫婦なんて。現実的過ぎるかなぁ。。

No title * by yonekyon
BSでやっていたの?知りませんでした。greenさんのあらすじを読んでみてみたくなりました。でも私・・自分のだんながこの主役の夫みたいだったら・・・と考えると怖くなるわ~うちは、お互い言いたいことをいいあってると思っているのですが・・本当はどうなんだろう?と思っちゃったわ。

No title * by green
ママさん、全部をぶつけ合ってる夫婦の方が確かに少ないよね(笑)
ただ、全部をぶつけ合うまでは至らなくても、相手にこうあって欲しいとか、少しだけでも自分の気持ちを伝えられていたら、↑のふたりのような結果は避けられたのでは・・・と思ったりします。
「今このタイミングで言わないでよ~~」みたいな・・(笑)
あ、でもこういうパターンになってしまうの、結構多いのかな・・
とにかく、男と女が夫婦として共に暮らしていくというのは、
難しいものだと思いました。

No title * by green
よねきょんさん、ほんとに本音をさらけ出して過ごしているか・・
と言ったら、疑問は残るよね~~
ま、夫婦それぞれで、すべてをさらけ出せる夫婦もいると思うけど。
私は結構言いたいこと我慢しちゃってるかも。
(それが爆発する時が来そうで怖いんだけどね^^)

No title * by なっちゃん
これって、以前話してくれたドラマだよね?

「私達って、とってもいい夫婦よね、ね、そうよね」って、グリちゃんが感じる様な、
無理に確かめ合ってる様な夫婦は、確かに良い夫婦ではないよね(苦笑)
何でもそうだけど、意識してそう成されているものは、そこにどうしても不自然さが出る。
反対に、無意識に成されているものには素が表れるもんね。

最終話での二人の言葉だけど、視点(事の時点)の違いだよね。
これって、夫婦喧嘩での物言いでは一番よくある事かもしれないね^^;

こうやって、初めて本音で言い合った後に生まれる形もあれば、
無くして初めて判るものもある。
「人とは違って当たり前」だと思うと随分楽になるし、
相手の個を尊重すると、それも又、苦が減る様に思う。
人間関係は、自己を相手に迄押し付けない事が円満の策かもね・・・。

No title * by green
なっちゃん、結局夫婦の形は、夫婦それぞれであって、他人が良いか悪いかを決めるものではないのかも・・・あ、でもこのドラマの二人の場合、いいか悪いかは別にして、非常に苦しんだことは確か(笑)
視点のずれ・・うん、確かにそうかも。
でも、このドラマの最後の最後に交わされたこの言葉には、
ふたりだけにしかわからない、夫婦の複雑な結びつきのようなものを
表しているような気もします。。。

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おはようございます^^

何時も色んな映画を紹介していただいてありがとうございます♪

greenさん本当に「人知れずいい映画」知っていますよね^^
もちろん「全国ロードショー」的な映画も観ていらっしゃいますが、
この映画はどこでやっていたの?と思わずネットで探します。
前回紹介していただいた「冬の小鳥」もそうですが人の心に灯火が
付くような、感じがしました。

わたしの住む田舎のショッピングモールのシネマには、なかなかそういった映画は来てくれません。
DVDで探します^^
2010-11-01-07:36 * momo [ 編集 ]

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bukyoさん、おはようございます。
朝早くから、こんな長い記事を読んでいただき感謝です。
私の映画鑑賞は、ほとんどがNHKのBS放送録画です。
最近はレンタルショップにもほとんど行っていないんですよ~~

もちろん大きなシネコンでやっているような映画の中にもよい映画はたくさんありますが、ひっそりと単館でやっているような地味な作品の方がかえって好きだったりします^^
「冬の小鳥」もまさしくそんな作品ですね~~~
こういう映画はNHKで放送してくれそうな気がします!!
2010-11-01-10:03 * green [ 編集 ]

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「いってくれればよかったのに!」って。。。

そういうこと全部ぶつけ合ったらなりたたない夫婦がほとんどじゃないのかなぁ、なんて思ったりします。自分から離れていくのが怖くていえなかったり、相手が傷つくんじゃないかと思っていえなかったり、言い方悪いけどいろいろ愛情はあっても計算しながら生活していくものじゃないかなぁ、夫婦なんて。現実的過ぎるかなぁ。。
2010-11-01-19:26 * 龍香 [ 編集 ]

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BSでやっていたの?知りませんでした。greenさんのあらすじを読んでみてみたくなりました。でも私・・自分のだんながこの主役の夫みたいだったら・・・と考えると怖くなるわ~うちは、お互い言いたいことをいいあってると思っているのですが・・本当はどうなんだろう?と思っちゃったわ。
2010-11-01-20:08 * yonekyon [ 編集 ]

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ママさん、全部をぶつけ合ってる夫婦の方が確かに少ないよね(笑)
ただ、全部をぶつけ合うまでは至らなくても、相手にこうあって欲しいとか、少しだけでも自分の気持ちを伝えられていたら、↑のふたりのような結果は避けられたのでは・・・と思ったりします。
「今このタイミングで言わないでよ~~」みたいな・・(笑)
あ、でもこういうパターンになってしまうの、結構多いのかな・・
とにかく、男と女が夫婦として共に暮らしていくというのは、
難しいものだと思いました。
2010-11-01-21:46 * green [ 編集 ]

No title

よねきょんさん、ほんとに本音をさらけ出して過ごしているか・・
と言ったら、疑問は残るよね~~
ま、夫婦それぞれで、すべてをさらけ出せる夫婦もいると思うけど。
私は結構言いたいこと我慢しちゃってるかも。
(それが爆発する時が来そうで怖いんだけどね^^)
2010-11-01-21:49 * green [ 編集 ]

No title

これって、以前話してくれたドラマだよね?

「私達って、とってもいい夫婦よね、ね、そうよね」って、グリちゃんが感じる様な、
無理に確かめ合ってる様な夫婦は、確かに良い夫婦ではないよね(苦笑)
何でもそうだけど、意識してそう成されているものは、そこにどうしても不自然さが出る。
反対に、無意識に成されているものには素が表れるもんね。

最終話での二人の言葉だけど、視点(事の時点)の違いだよね。
これって、夫婦喧嘩での物言いでは一番よくある事かもしれないね^^;

こうやって、初めて本音で言い合った後に生まれる形もあれば、
無くして初めて判るものもある。
「人とは違って当たり前」だと思うと随分楽になるし、
相手の個を尊重すると、それも又、苦が減る様に思う。
人間関係は、自己を相手に迄押し付けない事が円満の策かもね・・・。
2010-11-14-15:47 * なっちゃん [ 編集 ]

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なっちゃん、結局夫婦の形は、夫婦それぞれであって、他人が良いか悪いかを決めるものではないのかも・・・あ、でもこのドラマの二人の場合、いいか悪いかは別にして、非常に苦しんだことは確か(笑)
視点のずれ・・うん、確かにそうかも。
でも、このドラマの最後の最後に交わされたこの言葉には、
ふたりだけにしかわからない、夫婦の複雑な結びつきのようなものを
表しているような気もします。。。
2010-11-15-21:40 * green [ 編集 ]