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2010-12-03 (Fri)  09:28

「秋のソナタ」

「秋のソナタ」     Autumn Sonata Hostsonaten    1978年 スウェーデン
 監督 : イングマール・ベルイマン
 出演 : イングリッド・バーグマン、 リヴ・ウルマン

 
これ、イングリッド・バーグマンの
遺作なんですね・・・

母親役をイングリッド・バーグマンが
演じているんだけど、
にわかに彼女がイングリッド・バーグマンには見えないんですよ~~

声、こんなに低かったかしら??
もっと優しい目をしてなかった??
って・・・
 

でも、見続けていくうちに、あ、やっぱりイングリッド・バーグマンだってわかってきました。
さすが大女優ですね。
加齢も影響はしてると思いますが、役柄通りのちょっと神経質そうな女性を見事に演じていました。

さて、夫婦の愛憎、父娘の愛憎と見てきましたが、今回は母娘の愛憎です。
しばらくぶりに娘が母を自宅に招きます。おそらく、ほのかな「期待」を母に求めて・・・
だけど、(おそらく娘はわかっていた)その期待は案の定裏切られてしまう。
そして、これまでに蓄積された母への不満を、全身でぶつけるんです。
 
自由奔放に生きてきた母親、夫と娘を捨てて家を出て行った母親。
そんな母親から愛情を得られなかった娘の寂しさや怒りは理解できます。
でも、今になって全部ぶちまけなくても・・・と思ってしまうのです。
母親が許せないのなら、わざわざ家に招くこともないだろうに。
裏切られることはわかっていたはず。
それに、娘をきちんと愛してあげられなかったことは、母親自身もわかっていると思うんです。
それを娘から改めて非難されてしまう・・・
 
許せない、だけど求めてしまう。
ここには、娘の中の葛藤が見られます。
 
いつだっか、新聞のお悩み相談コーナーに、こういう悩みが寄せられてました。
私は母に抱きしめられた記憶がない。母はピアノの先生でいつも忙しかった。
毎日何時間もピアノの練習をさせられた。母の期待を裏切りたくない、母に愛されたい一心で
必死で頑張った。だけど、手も握ってくれたことはなかった。手を握ってくれたのは、
「急ぎなさい」と言って、手を引っ張られた時だけ。
自分に子供が産まれた時も、全く手伝ってくれなかった。
そんな母親なのに、期待しても裏切られることはわかっているのに、
苦しいとき、辛いとき、母を求めてしまう。「母に頼りたい」と・・・

誰にだって、大なり小なり母親への不満の気持ちは持ってますよね。
もっとこうして欲しかった、ああして欲しかった・・・って。
私にだってあります。許せなかったことも・・・
だけど、今それを蒸し返そうなんて気持ちは全くありません。
それは心の奥底に封印です(笑)
 
確かにエヴァの怒りや寂しさは、私のそれとは比べものにならないほど大きなものだったんでしょうけど・・・・
 
映画の最後に、娘エヴァが母親に手紙を送ります。
娘は母を「許したい」のでしょう、きっと・・・
 
 
今まで、ベルイマン監督の作品を続けてみてきました。
どの作品にも言えることは、「人間の本質をつきつけられる」こと。
だから、見ていて楽しくなるような映画ではありません。
隠しておきたい部分を、見せ付けられるような感じがして、はっきり言って辛いです。
でも、やっぱり見ちゃう(笑)
 
まだ初期の作品で見ていないものがあります。
機会があれば、是非見てみたいと思います。
 
 
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最終更新日 : 2019-06-08

No title * by あきりん
このスチール写真、確かに、言われないとバーグマンだとは気づきませんね。
ベルイマンのこの作品は、眼をそむけておきたい部分をあらためて意識させられてしまいそうで、観るのが辛くなりそうです。

No title * by 龍香
この娘さんは封印したままでは前に進めなかったのだろうと思います。なんとかしたいと希望を持てている間はまだマシかな、と思います。

No title * by kinaco
封印するには 娘の自分もいろんな経験を重ねてからじゃないと・・・ある程度の年を重ねてからじゃないと・・・ できないのかもしれないなぁ・・・って想いました。自分とかさねて観てしまいそうです。 イングリッド・バーグマンは知的で品があり素敵な女優さんですね♪

No title * by green
あきりんさん、最初「え?これがほんとにバーグマン?」と何度も目を疑いました。
ベルイマン監督の映画は、ほとんどが「会話」で構成されてますよね。つまり「人間」を撮って来た監督なんですよね・・・

No title * by green
ママさん、そうだね、彼女は彼女なりの方法で前に進もうとしたんだろうね。でも、母も娘も傷ついていく姿が見ていて痛々しかったです・・・

No title * by green
kinacoさん、その人の年齢も関係するかもしれませんね。
きっと、この映画の娘エヴァはどうしても母に知って欲しかったんでしょうね。
イングリッド・バーグマンさん、私も大好きです。
でも、この歳になってから出演した作品は初めて見ました。

No title * by green
内緒さん、そう、その通り!
結局、人間ていうのは、みんな同じことで悩み、苦しむ。
人間だから・・・・
だからといって、それをわざわざ「映画」を通して改めて知る必要があるのか?と、問われてしまうかもしれないけど、
(実際こういう映画は嫌いだっていう人もたくさんいるだろうし)
好きな映画、とは言えないんだけど、やっぱり見ちゃう(笑)

No title * by 瀧野川日録
赤いドレス姿でエヴァが弾くショパンを見ているときの貫禄ある表情と、告白されたあとのバーグマンの憔悴しきった表情、すばらしい演技でした。この作品が遺作だったんですね。

No title * by green
トリックスターさん、これまでのバーグマンとは一味違う演技でしたよね。包み隠さずに演じた!という感想を持ちました。

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No title

このスチール写真、確かに、言われないとバーグマンだとは気づきませんね。
ベルイマンのこの作品は、眼をそむけておきたい部分をあらためて意識させられてしまいそうで、観るのが辛くなりそうです。
2010-12-03-12:12 * あきりん [ 編集 ]

No title

この娘さんは封印したままでは前に進めなかったのだろうと思います。なんとかしたいと希望を持てている間はまだマシかな、と思います。
2010-12-03-14:23 * 龍香 [ 編集 ]

No title

封印するには 娘の自分もいろんな経験を重ねてからじゃないと・・・ある程度の年を重ねてからじゃないと・・・ できないのかもしれないなぁ・・・って想いました。自分とかさねて観てしまいそうです。 イングリッド・バーグマンは知的で品があり素敵な女優さんですね♪
2010-12-03-19:34 * kinaco [ 編集 ]

No title

あきりんさん、最初「え?これがほんとにバーグマン?」と何度も目を疑いました。
ベルイマン監督の映画は、ほとんどが「会話」で構成されてますよね。つまり「人間」を撮って来た監督なんですよね・・・
2010-12-03-21:41 * green [ 編集 ]

No title

ママさん、そうだね、彼女は彼女なりの方法で前に進もうとしたんだろうね。でも、母も娘も傷ついていく姿が見ていて痛々しかったです・・・
2010-12-03-21:42 * green [ 編集 ]

No title

kinacoさん、その人の年齢も関係するかもしれませんね。
きっと、この映画の娘エヴァはどうしても母に知って欲しかったんでしょうね。
イングリッド・バーグマンさん、私も大好きです。
でも、この歳になってから出演した作品は初めて見ました。
2010-12-03-21:44 * green [ 編集 ]

No title

内緒さん、そう、その通り!
結局、人間ていうのは、みんな同じことで悩み、苦しむ。
人間だから・・・・
だからといって、それをわざわざ「映画」を通して改めて知る必要があるのか?と、問われてしまうかもしれないけど、
(実際こういう映画は嫌いだっていう人もたくさんいるだろうし)
好きな映画、とは言えないんだけど、やっぱり見ちゃう(笑)
2010-12-08-08:47 * green [ 編集 ]

No title

赤いドレス姿でエヴァが弾くショパンを見ているときの貫禄ある表情と、告白されたあとのバーグマンの憔悴しきった表情、すばらしい演技でした。この作品が遺作だったんですね。
2011-01-11-11:24 * 瀧野川日録 [ 編集 ]

No title

トリックスターさん、これまでのバーグマンとは一味違う演技でしたよね。包み隠さずに演じた!という感想を持ちました。
2011-01-11-12:02 * green [ 編集 ]