「尼僧物語」 THE NUN'S STORY 1959年 アメリカ映画
監督 : フレッド・ジンネマン
出演 : オードリー・ヘップバーン、 ピーター・フィンチ
好きな作品を三つ選べと言われたら・・
「ティファーニーで朝食を」 と 「暗くなるまで待って」
そして、 この「尼僧物語」を選びます。
(ちなみに、「ローマの休日」は、別格なので除外^^;)
この映画を観ていると、
オードリーの真の美しさを感じます。
ジバンシーに身を包んでいるわけでもなく、
メイクもヘアメイクも無しなんだけど、
ほんとうに美しい。
医療で人を助けたいという志で、尼僧になることを決心するガブリエル(オードリー)ですが、
修道院の戒律は非常に厳しく、自己の欲求をすべて捨てなければなりません。
沈黙こそが徳とされ、過去を振り返ったり、未来を思い描いたり、鏡に自分の姿を映したり(←高慢の罪となる)
とにかく、人間的なものを一切排除しなければならないのです。
以前から希望していたコンゴでの医療活動に従事することになりますが、
そこで、医者フォルチュナティの助手となります。
そして、信仰と、「医療で人を助けたい」という志との間で葛藤し、苦悩するようになります。
信仰が邪魔をするのです。
時に耐え切れなくなって、おでこに手を当てて涙を流すシーンが、胸を締め付けます。
フォルチュナティは言います。
「君は、他のどの尼僧とも違う。君には人間性がある。だから患者に慕われるんだ」
やがて、フォルチュナティとも別れなければならない時がやってきます。
きっと、フォルチュナティに対し恋心を抱いていたと思います。
それも、尼僧であるならば、持ってはいけない感情なのです。
観ていて、ほんとうに辛くなってしまうのですが、
ガブリエルは芯の強い女性ですから、
自分で考え抜いて、答えを出して、自分の生きる道を歩いていくんです。
ラストシーンも非常に印象的な作品です。
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最終更新日 : 2019-06-08