『桐島、部活やめるってよ』 朝井リョウ
『カラマーゾフ』から一気に現代ですよ~~
ギャップが激しすぎる!
ものすご~~~く遠くにあったものが、どど~~んと近くに来た感じ。
朝井リョウの『何者』という作品が、直木賞に決まったときに、新聞に寄せられた朝井リョウのコメントの記事が、
とても印象に残っていて、『桐島~』は、是非読んでみたいと思っていました。
彼は、小学生のとき(何年生のときかわからないけど)毎日欠かさず日記を書いて担任の先生に提出していた
そうです。そして、自分が一生懸命に書いた文章に、先生が赤ペンで、どんな感想を書いてくれるのかが
楽しみで、先生という、たったひとりの読者のために、ひたすら日常の些細な出来事を文章にしたそうです。
あるとき、「日記というよりも、まるで小説を読んでいるみたいです」という感想が先生から返ってきて、
ただただ、先生に読んでもらいたくて、その先生が書いてくれた文字をエンジンにして、原稿用紙百枚の
小説を書いたのだとか・・・
そして、卒業式の日、先生は、便箋三枚に及ぶ感想文を返してくれました。
彼は、この時、「先生と先生」ではなく、一人の人間同士として、私と向き合ってくれたのだと思ったそうです。
これが、朝井リョウの、小説の原点なんだそうです。
先生の存在って、重要ですね。
もし、この時、朝井リョウの書く日記を、適当に流してしまったら、
きちんと向き合わずにいたら、
朝井リョウという小説家は生まれなかったのかもしれませんよね。
『桐島、部活辞めるってよ』ですが、
もう、高校時代にタイムスリップですよ~~~
高校生の時に、感じていた、言葉にならないような、あの感覚、淋しさ、焦り、腹立たしさ、自己嫌悪感、
一気に思い出しちゃいました。
「なんで私、大人になれないんだろう」 ← 書いた、書いた、これ、日記に何度も書いたよ~~~
この言葉にならないような感覚が、
見事に言葉になってるんですね~~~
もう、憎いくらいに、比喩表現がうまい!!
今も昔も、高校生が感じることって変わらないんだな~~
と感じる部分もある反面、
私たちの頃とは、やっぱり違う部分もあります。
私がよく子どもたちの前で、
「いいな~~君たちは・・・お母さんももう一回学校通いたいよ・・
学校、楽しそうじゃん!」って言うと、
「お母さんは、今の子どもたちとは一緒に学校生活送れないね」
「女子の仲間意識とか、半端ないよ」
「一回はずしたら、容赦ないよね」
「お母さん、絶対ついていけないよ」 って言われます。
子どもの世界は、かなりキビシイらしい・・・・
『桐島~』でも、「上と下」みたいな構図が出来上がる、それも段々に、ではなく、一瞬にして・・・
上にいるやつは、最初っから上、
それ以外は、下、みたいな・・・
う~~~ん、確かにあったかな~~~
イケてる女子と、そうじゃない女子。
私が通っていた高校では、体育祭以外に、クラスマッチがありまして、
バスケ、バレーボール、ソフトボールに分かれて3競技のクラスマッチをするんですね。
運動ができてイケてる女子は、バレーとバスケ。
そして、それ以外のイケてない女子は、自然とソフトボールに追いやられる・・・
私はもちろん、ソフトボールでした(笑)
運動神経も全然なかったしね。
当然、男子も応援に来ないわけですよ~~~
だけど!!
確か、2年生の時だったかな?
イケてない女子が集まってできたソフトボールチーム、
弱いながらも、決勝まで勝ち進んじゃったんですね。
この時は、さすがに男子も応援に来てくれたような・・
そして、優勝したんじゃなかったかな~~~
ま、そんな辛いことも、悔しいことも、そして楽しいことも、いっぱいあった高校生の頃を思い出させてくれる
小説でした。
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最終更新日 : 2019-06-08
No title * by green
うーこさん、高校生の頃って、いろいろ悩みますよね~~
私も当時、日記帳みたいなノートに、いろんな悩みを書きまくってました。
大人になりたいと思って、思い切って進もうとすると、失敗しちゃって恥ずかしい想いをして、後悔して・・・そんなことの繰り返しでした。
この年になって、「やっと大人になれたかな~~」なんて思ったりもします(笑)
私も当時、日記帳みたいなノートに、いろんな悩みを書きまくってました。
大人になりたいと思って、思い切って進もうとすると、失敗しちゃって恥ずかしい想いをして、後悔して・・・そんなことの繰り返しでした。
この年になって、「やっと大人になれたかな~~」なんて思ったりもします(笑)
なんか自分語りになってしまいますが、
私は、特に高校生ぐらいから、不器用すぎる悩みを抱えている若者でしたよ。(それで尾崎豊に救われていたわけですが(笑))
なかなか大人になれない、立ち止まっている自分が嫌で嫌で、でも進むことが出来なくて、とても怖がりでした。
そんな自分が自分だと思っていたので、今、大人になった私が働きに出る時も怖くて、でも出てみると、自分がすっかり経験を積んだ「おばちゃん」になっていることがわかりましたよ~(笑)
あの頃の私よ、さようなら って感じです(笑)