緑の光線

Top Page › 本のこと › 『真昼の悪魔』 遠藤周作 著
2017-02-28 (Tue)  12:09

『真昼の悪魔』 遠藤周作 著

『真昼の悪魔』     遠藤周作 著

映画『沈黙』を見たきっかけで、小説『沈黙』を再び読み返し、「信仰とはなんぞや・・・」などと
あれこれ考えているうちに、フジテレビで、『真昼の悪魔』というドラマが始まりました。
なんと、遠藤周作の小説『真昼の悪魔』が原作だとか・・・・
遠藤周作つながりで、ドラマも見つつ、小説も読んでみました。

ミステリータッチで書かれていることもあって、


一気に読んでしまいました。

主人公は、良心の呵責というものを感じたことがない、
感じられない、ある女医なのですが、
そんな自分の心の乾き、自分の心に空いている穴を満たそうとするかのように、悪事に手をかけるのですが、
どんなに悪いことに手をかけても、良心の呵責を感じないのです。

聖書の中の一節、「これら幼き者の一人を躓かせる者は、大いなる臼にかけられ、海に投げ込まれるがましなり」
を読み、良心の呵責を感じてみたい、という動機から、
病院に入院している幼い子供に「悪」を教えます。
それでも、彼女は満たされません。


小説にはありませんでしたが、ドラマでは、子どもだけに飽き足らず、自分の親にまで手をかけようとします。

私は、心のどこかで、「人間の性善説」みたいなものを信じていて、
人には、生まれながらにして、道徳心みたいなものが備わっているのではないかと勝手に思っています。
これって、かなり楽観主義なのかもしれませんけど・・・・

ですが、この小説の主人公のような女性がほんとうにいるとしたら、
恐ろしくて社会生活を送れなくなりそうです。
(実際、ドラマを見ていて、病院に行くのが怖くなった!!)
小説の中で、教会の神父は、「悪魔は自分が気づかないうちにそっと心の中に入りこみ、
埃のように知らない間に積もっていく」と言っています。それは誰にでも起こりうることだと・・・・

こういう「罪の意識を感じない人」を題材にした小説や映画などに触れると、
その人の、生まれ育った環境はどうだったのか・・と考えてしまいます。
きっと、生まれ育った環境が、その人の道徳心や罪の意識に影響しているんじゃないかと。
(どうしても性善説を信じたいがために)
ですが、小説では、この女医の過去は一切出てきません。

ドラマでは、この女医の幼い頃のエピソードが出てきますが、
環境が影響しているような描き方ではありませんでした。
(もしかしたら、お父さんの性格が少しは影響しているのかもしれないけど)

環境は関係ないのだとしたら、
悪魔は、どんな人を選んで忍び込むんだろう・・・・

そんなことを考えさせられる小説でした。


スポンサーサイト



最終更新日 : 2019-06-08

Comment







管理者にだけ表示を許可