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2018-04-24 (Tue)  09:45

『夢みる少年の昼と夜』福永武彦 

『夢みる少年の昼と夜』  福永武彦 著

福永武彦の短編集です。
この文庫本、私が高校を卒業する頃、ある人からプレゼントされました。
これまで、折に触れては読み返してきた本です。
久しぶりに読んでみたくなり、また読んでみました。

前にも、福永武彦の作品をここでご紹介した記憶があります。

確か『忘却の河』だったかな・・・

福永武彦の作品は、どの作品もそうですが、
人間の心の奥深い深いところにあるもの、
普段の生活では気づかないでいる、言葉にはできないでいるもの、そんなもののことを考える機会を与えてくれます。


いつも読んで思うのは、結局は人間孤独なんだな~~
ってことです。
愛する人がそばにいても、家族と一緒に暮らしていても、
絶対に共有し合えないもの、解りあえないもの、
ってありますよね。

心の奥底にしまい込んでいる記憶とか、言葉にはできないような思いとか・・・
(あ、でも、そういうものって、他の人と共有しようとは思わないか・・・)

そういうものを密かに抱えて生きているのが人間なんだな~~ってことです。

『忘却の河』の記事でも書いたような記憶がありますが、
家族仲良く暮らしていても、私には、私だけの記憶、思い、があり、
父には、父だけが心に秘めている記憶や思いがあり、
母も同じくそうで、
それに気づけたとき、父を、父親ではなく、一人の男性として、
母を、一人の女性として見ることができるようになった気がします。

この短編集の中に、『死後』という作品があります。
その中の一節・・・・
・・・人には誰にでも、一人ずつの日常がある。一人の男と一人の女が結婚すれば、そこには共通の日常が
生れて来る。それは次第に積み重なる。それは次第に腐蝕する。しかし誰が悪いのでもない。それは
日常というものが、それ自体持っている作用なのだ。しかし積み重ならないもの、共通の要素を持たない
もの、それもある。魂だ。・・・・


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最終更新日 : 2019-06-08

No title * by おんだなみ
確かに、親、兄弟、伴侶といくら親しくても、お互いの事を全て知ってる訳では
無いですからね。

No title * by green
おんだなみさん、だからこそ、人は人と関わろうとするし、人との関りがないと生きていけないんだな~~と思います。

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No title

確かに、親、兄弟、伴侶といくら親しくても、お互いの事を全て知ってる訳では
無いですからね。
2018-04-25-07:24 * おんだなみ [ 編集 ]

No title

おんだなみさん、だからこそ、人は人と関わろうとするし、人との関りがないと生きていけないんだな~~と思います。
2018-04-25-09:11 * green [ 編集 ]