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2019-06-12 (Wed)  12:44

『樅ノ木は残った』

『樅ノ木は残った』   山本周五郎 著
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山本周五郎にはまりつつあります^^
『樅ノ木は残った』は、江戸前期に起こった、伊達騒動を描いた小説です。
仙台藩の主君を陥れ、幼君を殺そうとした悪人とされてきた『原田甲斐』という人物が主人公で、
この原田甲斐を、仙台藩を守るために尽力した忠臣として描いています。

歴史にまったく疎い私は、「伊達騒動」なんて聞いたこともなかったし、
伊達藩といえば、伊達政宗しか思い浮かばないというありさま・・

そんな私が、上、中、下と、三巻を夢中で読めたのは、なんといっても、
原田甲斐という人物の魅力にあるのではないかと思います。

原田甲斐、周りの人たちに何を言われようが、いつも冷静沈着。
常に、「真実とは何か」を見極めようとします。
決して、腹の内を見せようとはしないので、周りにいる、原田甲斐を信じ慕う人たちは、
非常にもどかしい思いをします。それゆえ、原田甲斐の元を離れてしまう人も・・・
ですが、一切の弁明も言い訳もせず、去る者は追わず、
ただただ、藩の安泰を守るため、耐えに耐え抜きます。

原田甲斐が言った言葉で、とても印象的だったもの・・
「いかなる真実も、人の口に伝われば必ず歪められる」
この言葉は、現代社会にも通じる言葉ですよね。
真実が情報となるとき、そこには、必ず伝える人の主観が入ってしまうもの。
情報が飛び交う今の社会において、真実とは何かを冷静に見極める能力が非常に大切になることを、
原田甲斐に教わったような気がします。

そして、原田甲斐という男性は、まあ、女性にもてます。
(わかる~~~~)
「宇乃」という少女と原田甲斐の関係が、なんというか、とっても微妙な関係で、
読んでいて、ドキドキします。

この小説、登場人物がとにかく多いんです。
しかも、人の名前が統一されていない!
藩の名前で書かれてあったり、館の名前で書かれてあったり、最初、本当にとまどいました。
上、中、下、三巻とも図書館で借りて読んだのですが、最初に借りた上巻が、古い版で、
登場人物の紹介や、言葉の注釈がついておらず、本当に苦労しました。
どの人物がどういうふうに呼ばれているのか、誰と誰がどういう関係なのか、
いちいちノートにメモりながら読みました。
中巻、下巻は、比較的新しい版で、ちゃんと登場人物の紹介と注釈がついていたので、とっても助かりました。(上巻にもついていて欲しかった!)

山本周五郎の小説、もっともっと読みたいです!

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最終更新日 : 2019-06-12

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