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2019-09-03 (Tue)  10:46

『栄花物語』『五辨の椿』『大炊介始末』

『栄花物語』『五辨の椿』『大炊介始末』  山本周五郎 著

山本周五郎作品、三冊です。
まずは、『栄花物語』です。
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これは、江戸時代の老中、田沼意次の話です。
田沼意次といえば、賄賂、悪徳政治家、という面ばかりが注目されがちですが、この『栄花物語』では、田沼意次を違った視点から描いています。

田沼時代の江戸幕府は、財政的に相当苦しかったようで、意次はそれを何とか立て直そうと、かなり進歩的な政策を打ち出しますが、幕府からの理解を得られず、意次が孤立していく状況がよくわかります。

どうやら、その頃、武士よりも、商人の方がよっぽど自由で金銭的にも潤っていたようです。

本の中にこんな一節がありました。
「侍どもは権威を腰にかけて飢え、商人どもは恐れいり奉って暖衣飽食する」

意次が、幕府も経済的な力をつけなければならない!という強い思いをもっていたことがよくわかります。

その一方で、自身の暮らしは、かなり質素だったようで・・・
着ているものも、擦り切れたりほころびたりしてたようです。
まあ、賄賂はもらってたのかもしれませんが、(無理に贈ろうとするものもいたでしょうし)
今の政治家が賄賂をもらうのとは、ちょっと意味合いが違うような・・・

『五辨の椿』は、あるひとりの不幸な女性の復讐劇です(笑)
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読みながら、「これって、ドラマや映画になりそうなストーリーだな~~」と思ったのですが、どうやら、何度もドラマ化されているそうです。
まるでドラマ化することを意識して作られたかのような小説です。

『大炊介始末』は、短編集です。
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すべて、下町の市井の人びとの生きることの哀しさ、おかしさ、などなどを描いており、
何度も「ほろり」とさせられます。
家族を想う気持ち、自分の仕事に誇りを持つ気持ち、男女の気持ち、行き違い・・・
折をみてまた読み返したい、と思えた本でした。

時代小説ばかりが続いたので、久しぶりに他の作家の本も読みたくなってきました(笑)


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最終更新日 : 2019-09-03

ゆっくりと * by おんだなみ
山本周五郎作品は、あの後、何冊か借りました、
とても心に残る作品なので、集中して、しっかり読みたいと思っています。
読んでいると、自分の居住まいを正したくなりますね。

Re: ゆっくりと * by green
しっかり読みたい・・・私も同じ気持ちです。
一度読んだだけでは気づけていないことや、読み取れていないことがあったのではないかという気持ちです。
これからも読むことで自分を軌道修正できそうな気がします。

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ゆっくりと

山本周五郎作品は、あの後、何冊か借りました、
とても心に残る作品なので、集中して、しっかり読みたいと思っています。
読んでいると、自分の居住まいを正したくなりますね。
2019-09-03-19:03 * おんだなみ [ 編集 ]

Re: ゆっくりと

しっかり読みたい・・・私も同じ気持ちです。
一度読んだだけでは気づけていないことや、読み取れていないことがあったのではないかという気持ちです。
これからも読むことで自分を軌道修正できそうな気がします。
2019-09-05-10:20 * green [ 編集 ]