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2020-05-09 (Sat)  09:33

『走れメロス』  太宰治

高校生のときの話ですが・・とても暑がりの国語の先生がいました。夏なんかは、いつも扇子でパタパタ扇ぎながら授業をしていらっしゃいました。あまりに暑いときは、「今日の授業は朗読!」と言って、教壇の椅子に座り、扇子で扇ぎながら本を読んでくれました。その中のひとつが『走れメロス』でした。「ああ、鎮めたまえ、荒れ狂う流れを!・・」と情感たっぷりに読んでくださいました。先生の滔々とした朗読と『走れメロス』の格調の高い文章が相まって、『走れメロス』は強烈な印象を私に残しました。
P5090002.jpg
新潮文庫の『走れメロス』には、9つの短編が納められています。
『東京八景』『帰去来』は、自分の人生を回顧したものですが、自分がいかに弱く、情けない人間であるかが描かれています。読んでいて腹立たしくなるほどです(笑)ほんとうにどうしようもないです。
もし、私がその場にいたら、「ちょっと!ちゃんとしなさいよ!」とおせっかいを焼いて叱咤激励してしまいそうです。でも、きっと太宰治の弱さというのは、とてもとても根が深いもので、私が叱咤激励したところで、何の助けにもならないんでしょうけど・・・
『走れメロス』の格調の高さとのギャップに驚いてしまいます。

『女生徒』を最初に読んだのは、多分高校3年生か大学1年生のとき・・・
「どうして、この人は私のことがわかるの??」とびっくしたことを覚えています。まさにその当時の自分そのもののことが書かれていたからです。「この女の子は私だ!」と思いました。
親に対する反抗心が出てきて、「親は私のことなんかわかってくれない」「私はもっと前に進みたいのに」と粋がってみながらも、一方ではまだまだ自分が未熟であることに気が付いて愕然としたり落ち込んだりして・・そういう悶々とした状況にあった自分の心情を見事に言い当てられたような気がしました。

現在図書館が休業中ということで、新しい作品を読めません。その代わり、家にある本を整理しつつ、読み返しています。埃の積もった本、日に焼けて茶色に変色した本を、一冊ずつ綺麗に拭いてあげて本棚に並べ返しています。今じゃないとこういうこともなかなかできないよな~~
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最終更新日 : 2020-05-09

今度は真面目に読みたい * by おんだなみ
その先生の、朗読と作品の相性で、強烈な印象を
残したんですね。
私の記憶では中学の教科書に載ってた気がします、
生徒がつたない感じで朗読していたので
何でそこまでして?と言う馬鹿な感想を持っていました。
ずっと読み続けられる作品って、人の変わらない部分を
しっかり表現してるんでしようね。

図書館が休館中の今、自身の蔵書を見直すのもイイ物ですね。

Re: 今度は真面目に読みたい * by green
おんだなみさん、「何をそこまでして」という気持ち、わかるような気がします(笑)
ストーリーそのものよりも、話の展開や文章の格調の高さに惹かれます。
私は教科書に載っていたかどうかは記憶にないのですが、息子の中学の教科書にも載っていたそうです。

No Subject * by greengreen
名作、古典といわれる小説は10代、20代前半までに読むことが多いですね。若い感性だからこそ共感、理解できる良さもありますが、年齢を重ね、経験を積んだ後だからこそ理解できる部分もありますね。この頃は簡単に読める流行りの本を読むことのほうが多いですが、たまにはじっくり腰をおちつけてこうした名作を読むのもいいなあと思いました。

Re: No Subject * by green
greengreenさん、若い頃はあまり深く考えずに、ただ完読することを目的に読んでいたような気がします。
今こうやって読み返してみると、内容を全く覚えてない作品がたくさんあります💦
文豪作品をじっくり読んでみるのもいいですよね!

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今度は真面目に読みたい

その先生の、朗読と作品の相性で、強烈な印象を
残したんですね。
私の記憶では中学の教科書に載ってた気がします、
生徒がつたない感じで朗読していたので
何でそこまでして?と言う馬鹿な感想を持っていました。
ずっと読み続けられる作品って、人の変わらない部分を
しっかり表現してるんでしようね。

図書館が休館中の今、自身の蔵書を見直すのもイイ物ですね。
2020-05-10-11:35 * おんだなみ [ 編集 ]

Re: 今度は真面目に読みたい

おんだなみさん、「何をそこまでして」という気持ち、わかるような気がします(笑)
ストーリーそのものよりも、話の展開や文章の格調の高さに惹かれます。
私は教科書に載っていたかどうかは記憶にないのですが、息子の中学の教科書にも載っていたそうです。
2020-05-11-08:57 * green [ 編集 ]

No Subject

名作、古典といわれる小説は10代、20代前半までに読むことが多いですね。若い感性だからこそ共感、理解できる良さもありますが、年齢を重ね、経験を積んだ後だからこそ理解できる部分もありますね。この頃は簡単に読める流行りの本を読むことのほうが多いですが、たまにはじっくり腰をおちつけてこうした名作を読むのもいいなあと思いました。
2020-05-18-14:41 * greengreen [ 編集 ]

Re: No Subject

greengreenさん、若い頃はあまり深く考えずに、ただ完読することを目的に読んでいたような気がします。
今こうやって読み返してみると、内容を全く覚えてない作品がたくさんあります💦
文豪作品をじっくり読んでみるのもいいですよね!
2020-05-19-12:35 * green [ 編集 ]