緑の光線

Top Page › 本のこと › 『新解さんの謎』赤瀬川原平
2021-02-13 (Sat)  09:32

『新解さんの謎』赤瀬川原平

あるラジオ番組でリスナーさんがお薦めしていた本です。辞書の本と聞き、興味が湧き借りてみました。

普段図書館で本を借りた後、そのままバスに乗って家に帰るわけですが、借りてきたばかりの本を「どんな内容だろう、どんな出だしだろう」とわくわくしながら、座席に座るなりページをめくるときのわくわく感、たまりませんね^^
この本も、図書館で借りた後、早速バスの座席に座りすぐにページをめくり読み始めました。
いや~~~~マスクをしていてよかった!!
最初っからおもしろすぎて笑いをこらえられませんでした!!
(マスクをしていなかったら、本を読みながら吹き出しそうになっていのがバレバレです)

新明解国語辞典という三省堂が発行している辞書のお話です。
私はこの辞書を持っておらず、実際に引いたこともありません。
ただ、「おもしろい辞書だ」というのをどこかで何となく耳にしたようなことがあるくらい。
ですが、こんな辞書だとは知りませんでした!!
P2130021.jpg
新明解国語辞典(通称「新解さん」というらしい」の言葉の説明は、かなり具体的で、私からすると、それは客観性に欠けるのでは?作者の主観が入っているのでは??と思わされるものもあります。
また、用例もかなり独特です。辞書では、言葉の説明の後に、用例が記載される場合があります。実際にどういうふうに使うかの例文ですね。私の手持ちの辞書だと、用例の大半は文献からの引用で、必要に応じて作例が記されています。いずれにしろ、例文はごく簡潔で短い文です。
ところが、新解さんでは、この例文がかなり具体的で長いのです。そこまで書いていいのか!と突っ込みたくなるほどです。

最初に紹介されているのが、「恋愛」です。
「恋愛」とは何ぞや?新解さんはこう説明しています。

れんあい【恋愛】特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる・(まれにかなえられて歓喜する)状態。

いやいやいや、これはかなり限定的すぎじゃありませんか??
恋愛している人の中には、新解さんが説明している状態ではない人もいるのでは??

中には、今のご時世、批判、お叱りを受けるのでは??という説明も・・・
おんな【女】㊀人間のうち、雌としての性器官・性機能を持つ方。㊁一人前に成熟した女性。〔やさしい心根や優柔不断や決断力の乏しさがからまり存する一方で強い粘りと包容力を持つ〕

え~~~~!!こんなに限定していいのでしょうか??優柔不断って決めちゃっていいの??
(女性の怒る姿が目に浮かぶようです)
女性のお怒りを買うような用例として、こんなものも・・・
なまじ(副)㊀十分な成果が期待できないのに、何かをあえてすることを表す。「-〔=つい〕口を出したのが悪かった・-〔=無理に〕女の子が柔道など習ってもしようがない」

女性柔道家に背負い投げされそうです!

中には、う~~~~んと深く考えさせられるような説明も・・・
よのなか【世の中】㊀同時代に属する広域を、複雑な人間模様が織り成すものととらえた語。愛し合う人と憎しみ合う人、成功者と失意・不遇の人とが構造上同居し常に矛盾に満ちながら、一方には持ちつ持たれつの関係にある世間。
じっしゃかい【実社会】実際の社会。〔美化・様式化されたものとは違って複雑で、虚偽と欺瞞とが充満し、毎日が試練の連続であると言える、きびしい社会を指す。〕

世の中、実社会の中で生きて行くのは、大変だな~~~

用例の中には、小説の中の一節を抜き出したようなものも・・・
ぼさっと(副)しなければならない事を忘れていたり仲間からひとり取り残されたりして、しまらないことを表す。「駅から花屋に出る四つ角には交番があるのだが、管内の出来事には鈍感な警官がー立っているだけであった」

この警察官の日常や人柄をあれこれ想像してしまいます・・・

というわけで、新解さんの説明、解釈は、本当に独特で、これを辞書と言っていいのだろうかと疑問視したくなるほど。ていうか、主観、入りすぎてませんか??
ま、読んでて面白かったですけどね^^

この『新解さんの謎』が書かれたのは、1999年、新明解国語辞典の第四版までが発行されている時期です。
調べてみると、2020年の11月に新明解国語辞典の第八版が発売となっているようです。
第四版までの傾向とは変わりないのでしょうか?

この辞書、買ってみたいような、使ってみたいような、そんな気もしますが、何かの言葉を調べようとしてページをみくったら、辞書を引くというよりは、辞書を読むことにどっぷりはまってしまい、他の作業がはかどらなくなりそうです。

ちなみに、この本の後半には、「紙々の消息」という、紙にまつわる筆者の考察分が収められています。これは、いま一つだったかな・・・
紙にまつわるあれやこれやですが、これが書かれた時と、今とでは紙事情がかなり違いますからね。
今の若者がこれを読んでもあまりピンと来ないかもしれません。




スポンサーサイト



最終更新日 : 2021-02-13

No Subject * by おんだなみ
赤瀬川原平さんは大好きなんですが、あくまでライトなファンなので、
この本は知りませんでした。
確かに、この解説は今だったらもろ攻撃の的に成りそうです。
ま~辞典と言うより、その体を成した読み物と言う感じなんでしょうね。
地元にもあったので、機会があれば借りて見たいと思います。

Re: No Subject * by green
おんだなみさん、私はこの本で赤瀬川原平さんを初めて知りました。
著作数も多いみたいですね。
新解さんは「読んで面白い辞書」と評価されているみたいです。
こんなユニークな辞書があるのかと、私はかなり驚きでした。

Comment







管理者にだけ表示を許可

No Subject

赤瀬川原平さんは大好きなんですが、あくまでライトなファンなので、
この本は知りませんでした。
確かに、この解説は今だったらもろ攻撃の的に成りそうです。
ま~辞典と言うより、その体を成した読み物と言う感じなんでしょうね。
地元にもあったので、機会があれば借りて見たいと思います。
2021-02-15-09:39 * おんだなみ [ 編集 ]

Re: No Subject

おんだなみさん、私はこの本で赤瀬川原平さんを初めて知りました。
著作数も多いみたいですね。
新解さんは「読んで面白い辞書」と評価されているみたいです。
こんなユニークな辞書があるのかと、私はかなり驚きでした。
2021-02-15-21:03 * green [ 編集 ]